朝賀顧問を迎えて
第70号 (抜粋)
(平成19年6月)
「かわら版」編集部
本年から天道館の顧問に就任されました朝賀昭氏(元内閣総理大臣・田中角栄秘書、早稲田大学大学院講師)は、清水管長とは40年以上の師弟として親交があり、先生のよき理解者ならではの視点で天道館の発展を願っているお一人です。
稽古ではお孫さんをはじめ若者らとともに汗を流しながら天道流合気道を日々体感されています。そこで「かわら版」編集部では、朝賀顧問により発足しました「天道館運営委員会」での冒頭挨拶(要旨)をみなさんに紹介します。
「二律背反」を求めた時、とかくアレルギーが生ずることがあります。「武士は食わねど高楊枝」という言葉の中に「高楊枝でいたい、いなくてはならない」という士の心と現実的な生業の困難さを思わせます。わが清水先生は国際的に認知されている武道家ですが、独立してから今年で38年、並みの武道家であれば今日まで継続できたか、甚だ疑問であります。
どんな社会にも見られるように、部下が独立してかつての上司によってその芽を摘まれることも多いのです。ここまでやってくることができたのは先生の素晴らしい才能と門人の皆さんに慕われ、尊敬される人柄に他なりません。武道の究極を追求することと道場の経営を確たるものにすることも同時に求められるのです。一人の入門者を迎えるその積み重ねが今日の天道館になっているわけですが、これからは先生のご苦労に対してわれわれ門弟もその一翼を担うことを心がけたいものです。
天道館の益々の発展のため、地域住民の方や門弟の周りの人達にわれわれの天道館のブランドと合気道の素晴らしさをいかに知らしめるかを一考することが今後の課題となるでしょう。合気道が教育や健康のために大いに活用されたら、こんなに嬉しいことはないですね。今日の大きな社会問題として教育の荒廃や長寿・高齢化が指摘されていますが「礼に始まり礼に終る」武道としての合気道、身体を動かして若々しい健康づくりのために、「男女問わず何歳になってもできる」合気道が大いに活用されたら最高ですね。(談)